HIFI日記:新年一発目!HI-Player 全機能HIFIプレーヤー音质レビュー
一、まえがき
今回テストするのはハードウェアではなく、Apple macOS向けのHIFI音楽再生ソフトウェア「HI-Player」(以下、HIP)です。ご存じの通り、PCオーディオ(PC-HIFI)界隈を語る上でHQPlayerの存在は避けて通れません。長年にわたり、HQPlayerは音質が最も優れ、調整可能なパラメーターが最も多く、価格が最も高く、そしてUIが最も扱いにくい(いわゆる反人類的な)プレーヤーと目されてきました。しかし、飽くなき探求心を持つオーディオファンたちの手によって、そうしたハードルは次々と乗り越えられてきました。また、従来のオーディオ再生ソフトと異なり、HQPlayerは豊富なフィルターを提供することで、音声波形そのものを損なうことなく、聴感を微調整できる自由度をユーザーに与えてくれます。
では、今回レビューするHI-Playerの実力はいかほどのものなのでしょうか?音質面で耳の肥えたオーディオ愛好家を満足させられるのか?機能面においてHQPlayerを超える部分はあるのか?そして、そのUIはより洗練され使い勝手の良いものになっているのか?これら3つの疑問を胸に、ブログ主は今回のレビューをスタートしました。
二、レビューの準備
今回レビューするのは、「張無忌(Zhang Wuji)」氏が個人開発したオールインワン音楽プレーヤー「HI-Player」です。テスト環境はAppleのMacBook Pro(2019年モデル)で、x86アーキテクチャのIntelプロセッサーを搭載しています。ノートPC側のポートがすべてType-Cであるため、ブログ主はUSBケーブルでHagibis(海備思)製USBハブを経由し、そこからDACへと接続しました。一方、比較対象となるのはブログ主のリファレンスであるHIFI-PCからDACへのダイレクト接続です。具体的な試聴テスト環境は下表の通りです。
| PC | MacBook | |
| 電源 | Antec HCG650 | バッテリー駆動 |
| フィルター | Jinglesi ATX電源フィルターキット マザーボード+CPU+GPU | Hagibis USBハブ(Hagibis USBケーブル) |
| 電源ケーブル | Black God(黒神)電源ケーブル | / |
| CPU/GPU | 7800X3D+3060TI | Intel Core i7 |
| USBポート | Matrix Audio Element H Tiger Fish(老虎魚)リニア電源+Cardas DCケーブル | 本体Type-Cポート |
| ソフトウェア | Windows+HQPlayer | macOS+HI-Player |
| USBケーブル | Wireworld Platinum Starlight 7 | Wireworld Platinum Starlight 7 |
PCシステム:PC – USB – DAC
Macシステム:MacBook – USB – ハブ – USB – DAC
ここで強調しておきたいのは、両ソフトのデジタルフィルター体系が異なるため、レビューにおけるHQPlayerのフィルター設定はブログ主自身の経験に基づいて選択し、HI-Playerについてはマニュアル(取扱説明書)に記載された推奨設定に従ってひとつひとつ試聴を行ったという点です。本当にひとつずつ聴き比べました!もし両プレーヤーに類似するフィルターが存在する場合は、それらを集中的に比較もしています。試聴の過程でフィルターの切り替え回数が膨大になったため、そのすべてを個別に記録することは困難でした。したがって本レビューでは、ブログ主が両ソフトの個性を最もよく体現していると判断した総括的な論述を中心にまとめています。実際にはフィルターの組み合わせが極めて多彩であるため、誰しも自分好みの理想的な音をある程度見つけることができますが、自分に最も合うスタイルが必ずしもそのプレーヤーの基礎性能や音色を最も高く引き出せている状態とは限りません。そのため、以降の記述はあくまでブログ主の主観に基づき、両ソフトそれぞれの特徴を最も代表し、かつベストコンディションを最も反映している状態での音質比較となります。
三、試聴曲/採点基準
試聴曲にはブログ主が普段よく聴いているリファレンス曲を選定しており、傾向としては概ねJ-POP/アニソン系70%+フルオーケストラ・大編成クラシック30%となっているため、選曲は明確に邦楽・日系音楽寄りとなっています。採点基準はオーディオ専門誌『音響論壇』の劉漢盛氏による「オーディオ20要」をベースに簡略化したもので、10点満点ですが、通常の上限は9点(ウルトラフラッグシップ級)としています。そのうち8点はその項目が極めて傑出している(フラッグシップ級)、7点は優秀(ミドルクラス)、6点は十分に鑑賞可能(エントリークラス)、5点は普通に聴けるレベル、5点未満は言及に値せず(評価対象外)と定めています。より詳細な評価スキームについては、こちらをご参照ください。
四、試聴テスト開始
| 項目 | PC/HQPlayer | MacBook/HI-Player |
| 音質/音色 | 8/10 | 7.5/10 |
| 帯域バランス/均整 | 7.5/10 | 7.5/10 |
| トランジェント/ダイナミクス | 7.5/10 | 7.5/10 |
| 解像度/ディテール | 7.5/10 | 8/10 |
| 密度/重量感 | 8/10 | 8/10 |
| 透明感/空気感 | 7/10 | 6.5/10 |
| 音場/定位/空間感 | 7/10 | 7.5/10 |
| 個性/プロポーション | 7/10 | 7/10 |
| 総合得点 | 7.44/10 | 7.44/10 |
1、楽曲名:未竟、アーティスト:秦勇/Game Science(遊戯科学)/8082Audio、アルバム名:『黒神話:悟空』ゲーム音楽セレクション

『未竟』は最近、ブログ主のレビューシステムに頻繁に登場するリファレンス曲となっています。余談ですが、2024年末のBilibili(ビリビリ)年越しライブで披露された生演奏(ライブ版)の『未竟』は本当に鳥肌が立つほど素晴らしい演奏でした。本題の試聴に戻ると、HQPlayerとHI-Playerはそれぞれ異なるサウンドの質感(テクスチャ)を示しました。HI-Playerは輪郭線(ライン感)を重視した滑らかで流麗な鳴り方ですが、男性ボーカル特有のハスキーさや渋みといった微細な質感のディテールがわずかに控えめです。一方、HQPlayerはこの手の魅力的な中域のディテール表現に極めて長けており、歌声のかすれ、ビブラート、鼻濁音のニュアンスなどを円熟味たっぷりに描き出します。しかし、焦点をボーカルから周囲の演奏へと移すと、HI-Playerの低域の沈み込み、質感、音像の立体感(ボディ感)がHQPlayerを一歩リードしていることに気づきます。ブログ主がPC環境のHQPlayer側でいくらフィルターを追い込んで調整しても、MacBook環境のHI-Playerが聴かせる低域の充実度にはどうしても届きませんでした。総じて、こうした重厚な男性ボーカル曲、特に喉のディテールや歌唱テクニックが前面に出る録音においては、確かにHQPlayerの方がきめ細やかな表現力を誇ります。対してHI-Playerの強みはより中低域〜重低域の土台にあり、ピアノ、チェロ、打楽器(ドラム・和太鼓)といった器楽演奏においてより輝きを放つことが予見されます。
2、楽曲名:大火、アーティスト:李佳薇(Jess Lee)、アルバム名:感謝愛人

女性ボーカルの試聴に移ると、HI-Playerの持つ滑らかなライン感が俄然アドバンテージを発揮し始めます。過度な声のかすれや微細ディテールを強調する必要がない楽曲において、HI-Playerは一切の粗さを感じさせないシルキーな流麗さを提供し、その中域の質感はブログ主の愛用するCDプレーヤーシステムに近いものがありました。一方、高域から超高域にかけては、HQPlayerの方が総合的にHI-Playerよりもやや明るく伸びやかである反面、わずかに刺さりや粗さ(ざらつき)が顔を覗かせるのに対し、HI-Playerは角が綺麗に研磨されたような心地よい滑らかさがあります。なお、HI-Playerでも女性ボーカル推奨以外のフィルターに切り替えることで比較照明度(ブライトさ)を高めることは可能ですが、引き換えにボーカルがややドライで粗削りになってしまいます。どちらの表現を好むかは、皆様ご自身で試聴の上で判断していただくのが良いでしょう。
3、楽曲名:鼓詩、アーティスト:閻学敏(Yan Xuemin)、アルバム名:炎黄第一鼓

こちらもオーディオ試聴テストの定番曲ですが、実際にはこの『鼓詩』をどのように味わい、鑑賞すべきかよく分からないという読者の方も少なくないでしょう。せっかくの機会ですので、ブログ主から少し解説を加えさせていただければと思います。『鼓詩』は中国を代表する著名な打楽器奏者・閻学敏(イエン・シュエミン)氏の代表作のひとつであり、その創作背景は1980年代の中国国内における打楽器創作の停滞期にありました。当時、閻学敏氏は伝統的な民族打楽器と現代の音楽的理念を融合させることで創作のボトルネックを打破し、同時に中国の太鼓音楽の魅力を世界へと発信したいという強い思いを抱いていました。そのため本作では、一切の歌詞や他の伴奏楽器を排除し、排鼓(パイグー)、大太鼓、小太鼓、板鼓(バングー)、さらにはティンパニなど中西さまざまな太鼓を融合させ、太鼓本来の「音色」と演奏者の卓越した「リズム」や「力感(ダイナミクス)」の技巧のみによって太鼓の美を極限まで描き出しました。「詩」の名を冠されたこの楽曲はまさに原点回帰であり、太鼓の響きだけで強烈な物語性と映像美を伴う雄大なパノラマを構築しています。
レビューの話に戻りますと、ブログ主がなぜ这ほど筆を割いて鑑賞のポイントを説明したかというと、本曲こそがHI-Playerの真価を最も如実に発揮できる楽曲のひとつだからです。広大な音場が黄砂舞い散り雷鳴のような太鼓が轟く壮大な情景を支え、卓越した解像度とダイナミクスが多彩な太鼓の音色を重層的かつ精緻な物語として紡ぎ出します。そして低域の豊かな量感と深い沈み込みが、無数の太鼓が一斉に鳴り響く圧倒的な迫力を余すところなく描き切ります。当時のインタビューや楽曲批評では、本作の精神的境地として「中華文明への賛歌」「自然と生命への畏敬」「人生の哲理への探求」「天人合一の思想境地」といった言葉が挙げられていました。皆様がこの楽曲からこれほど壮大なテーマを真に感じ取れるかは分かりませんが、時代を経てなお、本作がそうした賛辞の数々に値する名作であることは疑いようがありません。そしてオーディオ(HIFI)とは、煎じ詰めればこうした感動を味わうためにコストをかけて設営する「舞台」に他なりません。音源再生の礎(プラットフォーム)として、HI-Playerはその舞台を十全に表現し得る確かな基礎性能を備えているとブログ主は確信しました。
五、機能性/使い勝手
ここまで両者の音質を比較してきましたが、総合的な実力はほぼ互角(伯仲)と言えます。要約すると、HQPlayerは高域の伸びがより優れ、中域の微細ディテールが豊富です。対するHI-Playerは低域がより重厚で力強く、音場もわずかに広く展開します。テスト環境(ハードウェア構成)が完全同一ではないため厳密な意味での比較ではありませんが、両ソフトの基礎ポテンシャルが同等水準にあることは十分に窺い知ることができます。機能面においては、双方がアップサンプリング(リサンプリング/アップコンバート)を中核としており、PCM-PCM、DSD-DSD、PCM-DSD、DSD-PCMなどの各種モードを網羅しています。目立った落とし穴や機能の欠落はなく、メニュー階層の設計思想に至るまで非常によく似ています。ネットワーク/ストリーミング伝送に関して、HQPlayerは独自のNAAプロトコルを採用しており、現在多くのHIFIネットワークトランスポートやストリーマー機器でネイティブサポートされています。一方、HI-PlayerはAirPlay、DLNA、SqueezeBoxといった汎用プロトコルを幅広くサポートしており、多種多様な一般機器との親和性・互換性に優れています。もっとも、現在のオーディオ向けネットワークプレーヤーの大半がNAAに対応している現状を考えると、HI-Playerの方が対応プロトコル数は多いものの、コアなHIFIユーザー層にとって決定的なアドバンテージとまでは言えません。なお、今回はUSBダイレクト接続をメインにテストを行ったため、両ソフトをネットワークブリッジとして使用した際の詳細な検証については割愛します。
続いてカスタマイズ性(遊び甲斐)についてですが、HQPlayerとHI-Playerはいずれも極めて豊富なデジタルフィルター調整項目を備えており、各種アップサンプリングに応じた多彩なチューニング戦略が用意されています。まだHI-Playerを試したことがない方は、まずこちらの公式マニュアルをご覧になり、本ソフトが提供する圧倒的な機能性を体感してみることをおすすめします。そして特筆すべきは、そのユーザーに対する親切設計です。HQPlayerでは各フィルターに関する詳しい解説がほとんど用意されておらず(海外フォーラム等を探しても信頼できる解説はごく僅かです)、手探りでの調整を強いられます。これに対し、HI-Playerは各フィルターの違いをユーザーが把握できるよう手取り足取り解説してくれる、ブログ主好みの「至れり尽くせり」なマニュアルを完備しています。この類まれな心配りこそが、操作性や使い勝手の面でHI-PlayerがHQPlayerを明確に凌駕しているポイントです。

六、まとめ
ブログ主が開発者本人に確認したところ、HI-Playerは単にffmpeg等のバックエンドにGUIを被せただけのいわゆる「ガワ」アプリではなく、低レイヤーの再生エンジンから各種フィルター、ストリーミング伝送に至るまですべて独自開発されており、ゼロから専用インターフェースを書き上げているとのことでした。これこそが、HI-Playerが高音質再生を実現し、HQPlayerと堂々渡り合えるクオリティを達成できた大きな要因と言えるでしょう。もっとも、HI-Playerは現時点では開発初期段階(2025年1月時点で開発期間約2年)にあり、マルチプラットフォーム対応の面ではHQPlayerと依然として大きな開きがあります。2025年の元日現在、HI-PlayerはmacOS版のみのリリースにとどまっていますが、作者自身もWindowsやiOS版の開発を精力的に推進中とのことで、将来的にはHQPlayer Embeddedのような専用OSイメージ(エンベデッド版)など、より極限を求めるオーディオファンのための選択肢も登場することが期待されます。
さらに開発者の説明によると、HI-Playerはリソース消費(システム負荷)が非常に低く抑えられており、省電力(据え置きではあまり意味がありませんが)であるだけでなく、HQPlayerと比較して要求されるハードウェアスペックも大幅に低くなっています。アップサンプリング処理を主眼に置くHQPlayerやHI-Playerにおいて、負荷の低さは音質面にも確実に好影響をもたらすとブログ主は考えています。というのも、アップサンプリングは本質的にCPUやGPUへ莫大な処理負荷を強いるものであり、高クロック駆動に伴う発熱、ファンによる排熱や振動などは、実のところ音質に対しても無視できない悪影響を及ぼすからです。この点は過去にx86ベースのネットワークトランスポートをレビューした際にも実感した通りで、一部のハイエンド愛好家やメーカーは、さらなる音質向上(と製品価格アップ)のためにあえてハイパースレッディングを無効化し、CPUクロックを固定し、ファンレス設計の削り出しアルミシャーシを採用するといった対策を講じています。そしてこれこそが、PCオーディオに注力するオーディオメーカーの主流なチューニング手法のひとつでもあるのです。
最後に触れておくべき点は、両者の価格設定(ライセンスモデル)の違いでしょう。HQPlayerは買い切り型のライセンス方式を採用しており、現在の価格は249米ドル(約38,000円/約1,800人民元)です。ライセンスを購入しない状態では、1回の連続再生時間が30分間に制限されます。一方、HI-Playerは基本機能+サブスクリプション方式を採用しており、15元(約300円)で30分の再生時間制限を解除でき、年間198元(約4,000円)で全機能が無制限に利用可能なサブスクリプション料金となっています。全体として両者の料金体系はアプローチが異なっており、どちらが良いかは一概に言えませんので、ブログ主からの優劣評価は控えておきます。


