HIFI日記:Edifier N300 マルチメディアスピーカー詳細レビュー
一、はじめに
先日、PreSonus(プレソナス)E3.5BT 第2世代のレビューを終えた後も、ブログ主の心にはずっと引っかかるものがありました。そのサウンドは、ブログ主が長年抱いてきたプレソナスに対するイメージに見合うものでは決してなかったからです。果たして1,000元クラスのスピーカーはこの程度のレベルなのか、それともプレソナス自体の問題なのか、ブログ主としては早急に検証する必要がありました。そんな折、ちょうどネット仲間からN300を勧められ、ブログ主が京東で3インチスピーカーを検索して一番上に出てきたのもこの製品でした。そこで「Edifier(エディファイア)でも一度試してみるか」という気持ちで、1台購入してみた次第です。
デスクトップスピーカーの選び方や、各種セッティング・配置、音質に関する疑問については、ブログ主が以前執筆した解説記事をご覧いただくことをおすすめします。
二、レビューの準備
今回レビューするのは、Edifierのまったく新しいシリーズ「N300」、3インチのマルチメディアスピーカーです。テスト環境はそれぞれ「PC – TASCAM Portacapture X8 – AUX – N300」、「PC – USB – N300」、「Xiaomi 13 Ultra – LDAC – N300」で、それぞれモニタリング、エンタメ、ポータブルの3つのシチュエーションに対応しています。結果から見ると、音質レベルもAUX > USB > Bluetoothという順序になり、特に断りのない限り、ブログ主のレビューは最も音質の良いAUX接続に基づいて評価を行います。スピーカーの防振には純正付属のスポンジパッドを使用し、すべてのテストはブログ主の厚さ6cmの無垢オーク材デスク上で行いました。デスクフレームはステンレス製で、4本の脚部にはヘビーデューティーなスパイクインシュレーターを装着しています。スピーカー間隔は1.2mと1.8mの両方でテストを行いましたが、ユニットサイズと出力の制限から、N300の音像定位(結像)や密度感は1.2mのほうが1.8mよりも明らかに良好でした。またエンクロージャーの制約もあり、1.8m間隔にしても1.2mを明確に上回る音場は得られませんでした。したがって、N300はモニターの両脇に直接設置するのに非常に適しており、3インチというコンパクトさも相まって、スペースが限られたデスク環境のユーザーにとって大きなメリットとなります。ブログ主のレビュースコアも、1.2m間隔での設置におけるサウンドに基づいて評価しています。配置は正三角形セッティングを採用し、ニアフィールドリスニングの要件を満たしています。ケーブル類はすべて純正付属のものをそのまま使用しています。
三、試聴曲/採点方式
選曲はブログ主が普段よく聴く楽曲から選んでおり、基本的には「70% J-POP/アニソン等の日系音楽 + 30% フルオーケストラ等の大編成クラシック」というリスニング傾向にあるため、選曲は明らかに日系音楽寄りとなっています。採点基準は「劉漢盛(リウ・ハンシェン)のオーディオ20要素」を簡略化したものを採用し、10点満点ですが、最高点は通常9点(超フラグシップ級)までとしています。内訳として、8点はその評価項目において卓越している(フラグシップ級)、7点は優秀(ミドルレンジ級)、6点は十分に鑑賞可能(エントリー級)、5点は普通に聴けるレベルとし、5点未満はノーコメント(評価対象外)とします。より詳しい評価スキームについては、こちらをご参照ください。
四、テスト開始
| 項目 | N300 | E3.5BT 第2世代 | MTM | 8010a | SC204 |
| 音質/音色 | 6/10 | 6/10 | 6.5/10 | 7/10 | 7/10 |
| 帯域バランス/均整度 | 6.5/10 | 5.5/10 | 6/10 | 7/10 | 7/10 |
| トランジェント/ダイナミクス | 6/10 | 5/10 | 6/10 | 7/10 | 6.5/10 |
| 解像度/ディテール | 6.5/10 | 5/10 | 6.5/10 | 7/10 | 7.5/10 |
| 密度/重量感 | 6/10 | 5/10 | 6/10 | 6.5/10 | 6.5/10 |
| 透明感/空気感 | 6/10 | 5/10 | 6/10 | 7/10 | 7/10 |
| 音場/定位/空間感 | 6.5/10 | 6/10 | 6.5/10 | 7/10 | 6/10 |
| 個性/スケール感 | 6/10 | 5.5/10 | 6/10 | 6.5/10 | 6/10 |
| 総合スコア | 6.19/10 | 5.38/10 | 6.19/10 | 6.88/10 | 6.69/10 |
1、曲名:波隙漂浮、アーティスト名:JINGYAN、アルバム名:波隙漂浮

1曲目に試聴したのは、E3.5BT 第2世代のレビューで最初に取り上げた楽曲と真っ向勝負となるトラックです。N300のパフォーマンスは、E3.5 第2世代に対して圧倒的な優位性を持っていると言えます。ディテールが豊かでレイヤー感(階層表現)が明確であり、解像度、密度感、ダイナミクス、音像定位といった絶対的な基本性能において、自身よりわずかにサイズが大きいE3.5 第2世代を凌駕しています。全体として、N300のサウンドはクリーンで歯切れが良く、低域の土台はどっしりと安定していながら濁りがありません。そして何より素晴らしいのはチューニングが非常に健全で、多くのマルチメディアスピーカーに見られるような高低両端を極端に強調した奇妙なドンシャリになっていない点です。実際、ブログ主はE3.5 第2世代では完全に破綻してしまった高難易度のエレクトロニック楽曲『雪琥珀』でもテストを行いましたが、N300はある程度ディテールを犠牲にしたものの、楽曲全体の統制力を可能な限り維持していました。聴感上の印象として表れるのは、「鑑賞に耐えうる音」と「破綻して聴けない音」という、まさに本質的な違いです。
2、曲名:未竟、アーティスト名:秦勇、アルバム名:《黒神話:悟空》ゲーム音楽セレクション

2024年は中国のゲームプレイヤーにとって間違いなく特別な1年となりました。『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』の誕生は、世界第一の工業大国としての誇りと実力を再び世界に示しました。映画『流転の地球(流浪地球)』と同様に、AAA級ゲームタイトルは本質的に多彩な職種・専門分野を横断する集大成です。そしてこの『未竟』は、ゲームの最終エンディング曲として、数多くのゲームクリエイターが伝えたかった思いを宿し、中国ゲーム業界全体の切実な願いを背负っています。その背負う「重量感」こそが、この楽曲の伝えるべき核心です。N300はこの楽曲において、ブログ主を完全に魅了しました。男声ボーカルから传わる「怨嗟」と「哀愁」は、まさに魂に深く染み入るような迫真の響きでした。背景音の静けさ、ボーカルの定位の正確さ、そして楽器ディテールの豊かさは、これが1,000元未満の3インチ・ブックシェルフスピーカーが出せる表現力とは到底信じられないほどのレベルでした。
3、曲名:星塵(星尘)、アーティスト名:元素星唱将、アルバム名:星塵(映画『深海(Deep Sea)』エンディングテーマ)

映画『深海(Deep Sea)』はブログ主が今年唯一、途中で耐えきれず退出してしまった作品ですが、もしこの楽曲がエンディングとして流れると知っていたなら、無理をしてでも最後まで観届けていたかもしれません。楽曲の話に戻ると、ボーカルの歌声は間違いなく一瞬で聴き手の心を掴む力を持っています。透明感、泥臭さ、希望、絶望、平穏、漂泊——これほど純粋な歌声で、なぜこれほど複雑な感情を紡ぎ出せるのでしょうか。歌い手はあくまで傍観者として一つの物語を語っているに過ぎないのかもしれませんが、その物語があまりにも深く、思わず引き込まれてしまいます。印象としては牧野由依さんの『you are my love』に非常に近いものがありますが、ブログ主の母語であることも手伝って、『星塵』のほうがより一層心に深く響きました。
4、曲名:刀剣如夢(刀剑如梦)、アーティスト名:達人芸典(达人艺典)、アルバム名:楽歌(民楽小曲集)

最後は中国民族室内楽の楽曲でレビューを締めくくります。実のところ、ブログ主は最後に録音品質の優れた器楽曲を探していただけで、達人芸典のカタログを検索しているうちに周華健(エミール・チョウ)原曲のこの作品を思い出しました。しかし、まさかN300が再びブログ主に大きなサプライズを与えてくれるとは思いませんでした。この曲において、N300はニアフィールドスピーカーとしての優れた実力を遺憾なく発揮し、ブログ主がこれまでに聴いてきたすべての3インチスピーカーの中でも最高峰クラスの定位感と結像力を見せつけました。各楽器の位置が鮮明に浮かび上がり、演奏者との距離が目と鼻の先にあるかのように感じられます。サウンドは小気味よく歯切れが良く、質感は安定して艶があり、音の伸びと余韻の味わいも見事で、まさに「極めてHIFI」と断言できる仕上がりです。
五、まとめ
レビューの文章を読み返してみても、N300があのSTAX SPIRIT S3やSTAX SPIRIT S10のような酷いヘッドホンと同じブランドから生まれたとは、到底信じられません。ブログ主の過去を振り返ると、確かにEdifierの製品はそれなりに聴いてきましたし、S880やR1800などの定番モデルも購入してきました。しかし、Edifierというブランド全体がブログ主に与えてきた印象は、失望のほうが遥かに大きかったのです。世界最高峰の静電型ヘッドホンブランドSTAXを完全買収したことくらいしか好印象はなく、それ以外はこのブランドに対して軽視や冷ややかな評価を抱いていました。その根深い印象は、近頃のS3やS10のレビューによって頂点に達していたほどです。実のところ、ブログ主はこのスピーカーの本来のターゲット層でもなく、購入後にコミュニティの仲間から聞いて初めて、このスピーカーの大々的な広告展開を知ったほどでした(ブログ主の情報環境には関連広告が一つも届いていませんでした)。ですが幸いにも、E3.5レビューに寄せられた1件のコメントのおかげで、ブログ主はこの素晴らしい国産(中国製)3インチスピーカーに出会うことができました。
ここまで褒めちぎっていると、「メリットばかり並べ立てたレビューに何の意義があるのか」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。実際のところ、N300にも欠点がないわけではありません。ただ、前述の試聴曲ではそれが表面化しにくかっただけです。まず、PCモニターに視野角があるように、N300が綺麗に音像を結べる角度(スイートスポット)は非常に狭いです。正三角形配置において、トゥイーターを正確に耳に向ける原則を厳格に守って初めて、極めて精密な定位が得られます。またエンクロージャーの構造や空間的な問題から、正面を向けて真っ直ぐ平行に設置するのには向いていません。そして、おそらく30度にも満たないこの適正リスニングエリアから外れると、N300のサウンド全体の輪郭や実体感は急速に崩壊してしまいます。もう一つの点は、左右のスピーカー間隔を1.5m以上に広げると、音の密度感が明確に低下することです。ケーブルの限界に近い約1.8mまで離すと、スピーカーの総合的なパフォーマンスは完全に1ランク下がってしまいます。したがって、N300が最も適しているのは、モニターの左右両脇にぴったり配置して超近距離(ニアフィールド)で聴く環境です。この設置であれば、結像も密度感も、より高価なモニタースピーカー相手に堂々と下克上を果たせるクオリティを誇ります。上記2つの点は音質に関わるものの、セッティングの工夫で完全にクリアできる問題であるため、ブログ主のいつもの評価基準に則り、本文中の減点評価には含めませんでした。次に、今回のレビューでは掲載しなかった昔ながらのアコースティック・ボーカル曲、例えば皆様よくご存じの山崎まさよしさんの『One more time, One more chance』のような楽曲では、N300はやや洗練さに欠け、柔らかさや繊細さが足りず、少しぎこちなさを感じさせます。ただ、この種の楽曲は録音年代が古く音質自体が控えめなものも多いため、検討を重ねた結果、メインのレビュー曲には含めないこととしました。
総合すると、N300は1,000元未満(国家補助金適用後はわずか579元/約1万2,000円)という価格で、3インチ小型スピーカーのコストパフォーマンスをまったく新たな次元へと引き上げました。3インチ(または小型)スピーカーにおいて、N300は卓越した基本性能、誇るべき見事なチューニング、そして多くの気の利いた工夫(例えば近接センサーの搭載や、Bluetooth接続時にチープな英語アナウンスが流れない仕様など)を兼ね備えています。したがって、ブログ主はEdifier N300を「強力推薦」と評価し、「1,000元以内における最強の3インチ・マルチメディア・ブックシェルフスピーカー」として太鼓判を押します。
